50代男性。長時間労働によってうつ病と診断される。温泉、釣り、カウンセリング等を通じて症状が少し落ち着いてきた。

ペンネーム:ちゃいたん
年齢:52歳
性別:男性
お住まい:宮城県

上司から仕事を振られ、朝4時まで仕事をしたことがキッカケでストレスが蓄積し、重いうつ病にかかり精神病院に入院した。

以前は宮城県の公立中学校の国語科の教諭をしておりました。うつ病経験者で、学校退職後は「フリーランサー」をやっています。
しかし、平成10年、文部省の仕事(10月に開催される77人の「全校剣道大会」の公開授業研究)をやるよう上司から言われ、「剣道もパソコンも分かりません」と正直に私が言うと、上司は「いいから。教えるから」と言って無理やりその仕事を私に押し付けてきたのです。

私は夜の10時まで学校に残り、アパートに帰宅後も4時まで残業をし、毎週2時間開催される「全校剣道」の「指導案づくり」に追われていました。
その間、上司たちは何も教えてはくれず、時間になるとさっさと学校から帰っていくのでした。

1学期は無事に終了し、「全校剣道」も生徒たちの組織委員会の努力のおかげで、軌道に乗ってきました。
しかし、ストレスが蓄積して、私の腰は「く」の字に曲がったのです。

色々な病院で検査すると、「過労によるうつ病だ」ということが判明しました。
なおかつ私の父も歩道橋から真っ逆さまに投身自殺したため、平成12年に重いうつ病になってしまい、私はとうとう「精神病院」に入院することになってしまいました。

入退院を繰り返したものの退職。耳鳴りや無気力感などの症状がでる。入院費は500万円。通院費は200~300万円。

私はその後、何度も入退院を繰り返し、一時職場復帰はしたものの、平成19年3月に「もうこれ以上は学校を休めない」という理由で、「退職」を余儀なくされました。
その間、当時の上司だった校長や教頭、学年指導主事は一度も見舞いに来ず、私は「男泣き」しました。

うつは実は現在もしつこく続いており、いまだに地元の精神科に通院して「薬」(主に、デパケン・サインバルタ・ハルシオン等)をもらっています。

いい時と調子の悪い時の波があり、私の場合は「うつ」になると「耳鳴り」「無気力感」などの症状を呈します。
今年に入って、やや少し落ち着いてきたので、改善(緩解)するまで19年の歳月がかかったことになります。

通院費は、「障害者自立支援」の援助でだいぶ助かっていますが、おおよそこれまで200~300万円くらいはかかっているのだと思います。
また、5回くらい入院しているので、入院費は500万円はかかっているはずです。

椎間板ヘルニアの診断を受けた後、うつ病だったと診断された。

まず、腰の「痛み」がありました。
一時は「椎間板ヘルニア」との診断を受けたのですが、大きな整形外科で「レーザー手術」をしても一向に「く」の字に曲がった腰は良くならず、とうとう抗うつ薬の「ドグマチール」という薬を500ミリも飲まされて、夜、よだれが流れて「アゴ」が外れ、全身が「硬直状態」になりました。

幸い、隣のベッドで寝ていた患者さんが私の異変に気付いてくれて、ナースコールで何とか助かりましたが、翌日医院長を呼んで激怒したのは言うまでもないことです。
私は焦りに焦りました。

何しろ10月の「全校剣道大会」の公開授業研究に間に合わず、私の後から入院してきた人たちが次々と「退院」していくからです。

年が明けて1月、私は長い入院生活にいらだって、病院の隣にあったコンビニでウィスキーの小瓶を買い、夜に全部飲みほしました。

すぐさま私はゲロを吐き、「強制退院」させられました。
しかし、家に帰ってぐっすり寝ると、あら不思議、あれほど曲がっていた腰が治っていたのです。

その病院の主治医曰く、「実はヘルニアではなく、うつ病だったんだよ」。
私は「ふざけんな!」とは思いましたが、その病院に通って抗うつ剤と睡眠薬をもらって職場復帰したのです。

しかし、その後また重いうつになり病院に入院した時は、こんなことが何度も続くようだったら、「自分なんか死んだ方がマシだ」と何度も思ったことも事実です。

うつ病に釣りと温泉は効果があったと思う。温泉は身体を芯から温めてくれて血流が良くなる

ある病院の精神科医からは、「パチンコ」がいいと言われたり、またある精神科医は「釣り」や「散歩」「ドライブ」「温泉」良いといわれたりして、その都度全部試しました。
今思うと、「釣り」と「温泉」の2つは良かったと思っています。

「釣り」は仕事や雑事、自分の病気のことなどを忘れさせてくれ、また「温泉」は、ゆったりとした時間の中で何も考えずに身体を芯から温めてくれて血流が良くなるので、良かったと思っています。

さらに言えば、「パチンコ」はどうしてもお金がかかってしまうリスクがあるので、やはり今でも「釣り」と「温泉」はお薦めだと思っています。
「釣り」で日がな一日ゆっくり何も考えずに過ごし、その帰り道で「温泉」に一泊して様々な「おもてなし」を受けて家へ帰って寝る、これがベストだと思いますね。

うつ病には薬や養生が大切と言われているが、家にいるより釣りと温泉の方が精神的に悩まず手軽な方法。

うつ病には「薬」と「養生」が大切だと言われています。
しかしながら、毎日家でゴロゴロラジオでも聴きながら過ごすよりは、先ほど言った「釣り」と「温泉」の方が精神面が内にこもって悩まない分、いい方法・手軽な方法だと思います。

今日はどこの海へ行こうか、どの道を通って、何の魚を釣ろうか、と考えるだけでも全く家にいるのとでは違った「精神状態」になれると思います。
また、釣り場付近の釣具屋さんと「言葉」を交わして釣り餌や道具を買うというコミュニケーションは、うつ病にとって薬以上の薬になると思います。

さらに「温泉」も、他のお客さんと一緒にお風呂に入りながら、「どこから来たの?」などと必ず聞かれるもので、その話の糸口から「自分の病気」を忘れて世間話に花が咲くものです。

うつ病は真面目で一生懸命に仕事に打ち込む人がなる病気。

まず、言えるのは、うつ病は真面目で一生懸命に仕事に打ち込む人がなる病気だと気付かされたことです。

そういった意味では実に「理不尽な病気」ですが、いわゆる「いい加減に生きている人」はならない病気でもあることも事実です。

私のように、上司から無理やり仕事を押し付けられて「うつ病」になり、中には「オレは何をやってもダメな人間だ」と深く思い悩み、「自殺」するケースもあります。

けれども、うつ病を克服した人は「強い人間」だと思います。
一度は奈落の底に落とされて、「地獄」を見ますが、長い眼で自分を見つめ、今後何に気を付けて生きればいいのか、が分かる病気だとも言えそうです。

うつ病を深く理解し経験した人は、他人にも優しくなれるし、人間的にも2~3段階ステップ・アップした人間だと思うのです。

入院すると一日が長く暇でしょうがない。家族や親戚がうつ病について理解してくれると嬉しい。

まず、経験するのは、誰もが「入院」すると「薬」と「静養」が重視されるため、一日が実に長く、「ヒマでヒマでしょうがない」と感じることです。

もちろん、苦しい時は夜も眠れないし、早朝覚醒はするし、悪夢でうなされるし、喉は渇くし、体重も増加(薬による様々な副作用)します。

しかし、何よりも家族や親戚が病院に見舞いに来てくれると嬉しいものです。
さらにその家族や親戚がうつ病について少しでも自分に寄り添い・理解してくれると、なおさら嬉しいものです。

うつ病が改善されると、夜も少しずつ眠れるようになっていき、食欲も出てきます。
入院している場合は、「外出」や「外泊」が恋しくなり、焦る気持ちも生まれますが、うつ病に「焦り」は禁物です。

なぜなら、また社会復帰しても以前のように「無理」をすると、再び「うつ病」が再発するからです。
一度うつになった人は、長い眼で一生うまく付き合っていく病気だと気付くことが重要です。

うつ病になったら家族と主治医のカウンセリングを受けるべき。焦りは禁物。

うつ病になったら、まず「自分」と「家族」と「主治医」のトライアングル関係で治していくという気持ちが一番大切だと思います。

その際、「自分」先行でうつ病を治せるものではないことを肝に銘じてください。
常に何かあったら、「家族」と「主治医」に相談し、三者の納得の上で行動・生活することが肝要です。

自分一人で突っ走ったり、思い悩んだりしていないで、常に「家族」と「主治医」の「カウンセリング」を受けましょう。

うつに思い悩んでいるのは、貴方一人だけではありません。
10人いれば、そのうち2~3人は「うつの素因」があると思ってください。

ましてや、世界を見渡したなら、うつ病で悩んでいる人はどれくらいいるでしょう?

世界ではうつではなくても、「餓死」や「難病」「戦争」で死んでゆく人たちがたくさんいるのです。
もっと広い心と視野を持ち、トライアングルでうつ病を治していきましょう。「焦り」は禁物ですよ!