ペンネーム:ごたん
年齢:57歳
性別:男
職業:会社員
お住まい:大分
部下がミスした責任を自分一人で追うことになった
もう20年ほど前になりますが、当時は慣れない仕事を任されていました。
その仕事というのは大きなビルの設備の責任者でしたが、それまでとは比べ物にならないほどの設備があって部下たちと協力してやってました。
しかしある時、部下が重要な設備機械を操作ミスで停止させてしまい、その責任を私一人が負うことになりました。
私は他にも仕事がありましたが、その日から当時の状況説明などで激務に追われる日々が続きました。
それでも責任者としての仕事はまっとうして、相手側にも納得をしてもらいましたが。
しかし、その頃から次第に気持ちがふさぐようになって、仕事に対しての気力が徐々になくなってきました。
そもそもその仕事は、押し付けられる形でしたが結果的に責任を負わせられたわけですから、その当時の上司に不信感がわきました。
うつ病とパニック障害を発症し精神科へ通院することに。安定剤がかかせない。
当時はちょうど年末で社員は皆忘年会とかで浮かれていましたが、私はとてもそんな気分のはなれずに家に閉じこもるような状況でした。
まさかそれがうつ状態であるとは思いませんでしたが、毎日眠れないことで疲れが溜まってしまい内科で睡眠薬を処方してもらいました。
その薬で眠れるようにはなりましたが、根本的なうつ症状は内科ではどうにもならずに精神科へ通院することになりましたが、そこに至るまでに半年かかってしまいましたからパニック障害も併発していました。
パニック障害はその発作のたびに死への恐怖を味わいますから、車の運転では事故にもつながりかねませんから安定剤は欠かせませんでした。
パニック障害と抗うつ薬と睡眠薬とで毎月5000円位かかっていました。
うつ病の原因は慣れない仕事や責任のなすりつけ。会社を恨むようになった。
うつ病になった直接の原因は慣れない仕事だったり、責任のなすりつけだったりで当時は会社そのものを恨むようになっていました。
それだけでなく、上司や周囲の人達にたいしての不信感もつのるようになり、精神的に出口の見えない状態が続いていました。
なんとか通院によっての投薬治療でパニック発作はおさまりつつありましたが、うつ症状はなかなか治らず休職を選択せざるをえなくなりました。
3か月ほどの休職でしたが、復帰した後がもっとも精神的にはきつかったと思います。
そういった病気に対しての理解がされてなく、復職してしまえば何でもやれるという判断のようで、周囲の人達も冷たい印象を受けました。
当時は精神的にひがみが強かったから、特にそう思ったのでしょう。
うつ病改善のきっかけは散歩。夜の睡眠にもかなり効果的だった。
そういう会社や人に対してのひがみや誤解が更に病気を悪化させていましたが、一方ではなんとかして病気を治したいという思いも強くありました。
当時は子供もまだ小さく、仕事をやめるわけにもいかず、そのためにもうつ病を治さなければなりませんでした。
改善の大きなきっかけは、散歩でした。
外回りの仕事でも昼休みは空いた時間があれば10分でも歩くようにしました。
これは単純なことですが、かなり効果がありました。
あとで気が付いたのですが、散歩による体の反復運動は滞った脳の神経細胞を修復するのに最適だったようです。
昼間の散歩は日光に当たることで脳内でメラトニンを生成しますから、夜の睡眠にも効果的だったのです。
そうしたことは後で知ったのですが、当時は必死に治そうとしていました。
気分転換目的だった散歩のおかげで、人間関係も回復し仕事もこなせるようになった
最初は気分転換が目的で散歩していましたが、徐々に精神的に落ち着きがでてくるようになってイライラもなくなってきました。
それまでの他人に対してのひがみや憎しみといった感情も治まっていました。
人に対しての憎しみが薄れると人間関係も徐々に回復し、人を許せるようになり、仕事も楽にこなせるようになりました。
それまでのパニック発作もほとんどなくなり、あとはうつ症状だけが残りましたが、それも徐々に改善して薬も以前よりは減らせるようになりました。
薬に関しては副作用もあって色んな種類の薬を処方されましたが、自分にあった薬にたどり着いたのも運が良かったのでしょう。
ある意味薬がなかったらどうなっていたのか、精神科に行かなかったらと思うとぞっとする思いです。
うつ病のときは笑えない。薬での作用もあってテレビや読書などで悲しい場面でも泣けなくなっていた。
うつ病が改善することで、徐々に感情がわいてきました。
最初のうちはとにかく楽しくないですから笑えませんでした。
多分一生笑うことがないだろうと、そう思うくらいに病状は深刻でしたから気がついたら笑える自分が不思議でもありました。
人間の喜怒哀楽は自然の感情でそのうちのどれかが欠けても普通じゃないのかもしれません。
怒ることはよくないのですが、いまだにその感情は制御しきれません。
それから感情と言えば、薬での作用もあるのですがテレビや読書などで悲しい場面でも泣けなくなっていました。
それが薬を徐々に減らすことで、そうした悲哀を取り戻すこともできました。
人間は他人に対しての感情を反射的に受け取れるのが普通で、人の不幸に涙するのは精神的病気を治すのにとても大事なことだと思いますし、それだけ回復したといえるでしょう。
死にたいという感情も大半は病気がそうさせる。本心ではない。
そうしてうつ病やパニック障害が治ってくると、周囲も病気だったということも忘れるようで、普通に接してくるようになりました。
元々普通に接していたのかもしれませんが、当初はひがみや憎しみで何かと他人の言動に神経質になっていた部分がありました。
しかもそうした神経質さに自分でもどうにもならずに、それが当たり前になって自分でもその神経質さに振り回されていました。
しかしそれは病気がそうさせるわけで、死にたいという感情も大半は病気がそうさせるわけで、自分が本当に死にたいわけではないのだとわかります。
そういった前向きな精神に戻ってきたわけですが、病気が重いうちは客観的に自分をみたり他人を見たりできませんから、尚更周囲の人間関係も悪くなりがちです。
自分の精神状態の悪さは病気からきている。自分で自分を責めないこと。
自分の病気が治って精神的に変わって来れば、周囲の人間関係も良くなってきます。
ですから、まず自分の精神状態の悪さは病気からきているのだとまず自覚することです。
そうすることでまず病気を治そうと思うわけで、その病気を治すためにはちゃんとした投薬も必要だし、自分にあった薬を見つけて少しづつでも回復していくことで、薬以外の改善方法も見つかってくるのではないでしょうか。
私の場合はそれが散歩だったり、読書だったりでしたが、その辺は人それぞれだと思います。
それともうひとつは他人を許すことも大事ですし、それ以上に自分を許すことです。
うつ病になる人達は自分に厳しい部分がありますから、自分で自分を責めないことです。
自分にもっと優しくなることです。
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