30代女性。仕事で大きなミスをしたことがきっかけでうつ病を発症。うつ病になったことで弱い本当の自分を知ってもらえて楽になった。

ペンネーム;ほんちゃん
年齢;30代前半
性別;女性
職業;専業主婦(広告代理店の営業職、生命保険の営業職、医療事務など経て、現在は家族の事情で専業主婦を行なっています)
お住みの都道府県;神奈川県(地方で生まれ、高校を卒業後、大学進学を機に上京。卒業後、Uターン就職をするも、結婚を機にもう一度上京。現在も関東に在住です)

24歳のときに仕事で大きなミスをしてしまったことがキッカケでうつ病を発症

これまでに数回うつ病になったことがありますが、初めてうつ病と診断されたのは24歳の時でした。
大学を卒業して、実家に住みながら、広告代理店で営業職を行なっていた私は、入社2年目で少しずつ大きな案件も任されるようになっていました。営業職ですから、新米ベテラン関係なく、常に営業会議での数字の確認があり、日々仕事でのストレスを感じていなかったとは言えない状況でした。

そんなある日、私の新聞広告の発注方法に不備があり、クライアントの意図とは異なった広告が新聞に掲載される、ということが、前日の夜に発覚しました。

そのクライアントは、先輩から引き継いだばかりの、会社としても大変重要な取引先でした。

明日の朝になれば、間違えて印刷されたままの新聞が我が家にも届くと思うと、怖くて、不安で寝られず、一晩泣いて過ごしました。次の日の朝、新聞が配達される音が聞こえ、不安が限界を超えてしまったのでしょう、動くこともできず、ベッドで丸まっていました。

前日の夜から電話で相談していた彼氏が、あまりに私の状態がおかしいと判断し、私と同居していた母に電話連絡。母が飛んできた時には、動けなくなってしまっていました。
その後、両親に連れられて病院に行き、うつ病と診断されました。

うつ病の改善期間は1年〜2年ほど。1万円のカウンセリングは6回受けた。

私の場合は、数回うつ病をくりかえしていますが、それぞれのうつが改善するのに1〜2年は要したと、自分では感じています。

改善というのがどの程度をさししめすかにもよるかと思いますが、服薬が絶対的に必要な期間でいうと、数ヶ月〜半年であったと思います。ですが、服薬の回数が少なくなってからでも、心が十分平穏である状態になるまでには、もう少し時間がかかったという判断です。

費用としては、健康保険で診診してもらえば、医療機関への受診は1回数千円で済むと思います。多い時でも1月に1〜2回の受診でした。

その他にかかった費用としては、カウンセリングを受けた際には比較的お金がかかります。私が通ったところは1時間1万円弱だと記憶しており、全部で6回程度通ったと思います。

期待に応えたいという想いが強く自分で自分を追い込んでしまっていた。周りからの応援がプレッシャーになった。

もっとやらなくてはいけない、でもできない、上司や家族の期待に答えなくてはいけない、でもがんばりすぎて周りに心配をかけてはいけないから力を抜かなくてはいけない、それでもいつもうまく行っていないといけない、、、
そんなことが頭の中をぐるぐると回り続けているというのが正しい表現だと思います。

期待されている(と自分では信じこんでいる)のに、それに応えられない自分が不甲斐なくなり、がんばろうと思えば思うほど、深みにはまっていきました。

私が一人で思い悩んでいる一方で、その弱みを外部には見せませんので、周りは「いつもがんばっているね」と評価してくれていたように感じます。

ですが、それがまたプレッシャーとなり、悪循環となるのでした。

主人が話しを聴いてくれたことがありがたかった。他者からの意見をもらうことで思考回路を一新できた。

私の場合、主人に話を聞いてもらえることが何よりありがたかったです。不安なことが起こると、「いま、どのように考えていて、何に対して悲観的になっているのか」それを口に出して話してみるんです。

すると、「そんなことないと思うけどな〜」という答えがかえってくるのです。その度に、自分の悩んでいたことがどれほどちっぽけで、自分一人がそう思っているのかということが、わかるようになってきました。

また、主人だけで抱えきれない時は、二人でカウンセリングに行ったこともありました。たまたま主人がみつけてきたカウンセリングルームでしたが、藁をもすがる思いで、その時は駆け込みました。

一度のカウンセリングですぐに症状が改善する訳ではもちろんありませんが、同じような思考回路に陥りやすい自分を客観的に他人に指摘してもらい、知ることで、同じような状況に陥らないように、少しずつ心がけを変えることができました。

カウンセリングを受講することで前向きになれた。朝起きることへの苦痛も軽減した。

最初は何をやっても先がない、どうせ自分なんか…という思いが一日中、頭の中を占拠していましたが、服薬やカウンセリングなどを我慢強く行うことで、今日はこれをやってみようかな、これならできるかもしれない…と少しずつ前向きに考えることができるようになっていきました。

できたことというのも、本当に些細なことです。食事をする、食事を準備する、本屋に出かける、新しい仕事について考えてみる、など日常で当たり前のことです。

そのような些細な日常のできることをひとつずつ実行していくと、それがどんなに些細なことであっても、ひとつできたという安心感になります。そして、また自分に自信が持てるようになりたいと思うまでになりました。体も正直なもので、当初はベッドにはりついて動けないと思うほど重かったのが、頭がすっきりとしてくると、動きやすくなり、朝起きるのも苦痛が減ってきました。

うつ病になったことで本当の自分を知ってもらえた。周りに理解してもらえたことで今の自分にできることをやろうと思えた。

正直、うつ病になると、周りの評価は変わってしまいます。それは仕方のないことです。でも、それは私をダメな人と評価したのではなく、「この人は真面目で、自分に厳しくて、そして少しストレスに弱いタイプなんだ」と知ってもらったのだと思います。

仕事をしている時に、うつ病を発症したと上司に打ち明けた時、冷遇する上司は一人もいませんでした。それどころか、仕事の進捗状況についてじっくり話をする機会を作ってくれたり、具体的なアドバイスをくれる方ばかりでした。

自分一人で問題を抱え込んで、本当の姿を見せられず、発症するところまで至ってしまったのは残念ですが、うつ病になることで、その自分を知ってもらうチャンスを得たのです。

自分がうつ病になってしまって恥ずかしいという思いもありましたが、それでも見捨てることのない上司の姿勢に励まされました。今の自分にできることを無理なくやればいいと感じるようになりました。

きちんと治療すればうつ病は治る。自分なりの治療法を見つけることが大切。

うつ病は、誰でも比較的簡単になってしまう病気ですよね。私もうつ病になりやすいタイプなので、今は元気ですが、いつまたそうなるかわかりません。

けれど、何度か回復した経験上、きちんと治療していけば治ると信じています。医師の診断を信じて服薬を続けたり、気の合うカウンセラーさんを見つけてカウンセリングを続けたり。そうすることで、いつかは治すことができたり、うまく付き合えるようになるといいのですが。

うつ病も、高血圧や糖尿病と同じ、その人の持っている持病!と捉えれば、気が楽になります。もちろん程度により、簡単にいかないケースもあると思いますが、自分なりの治療法を見つけて、また自分のことを認めてあげられる日が1日も早くくればいいなと願っています。